私がこの絵本に出会ったのも専門学校時代でした。
(バイト代で毎月洋書絵本1冊を買うというのが私のご褒美と
していましたので…)
私は動物を飼ったこともありませんし、この本は英語の文章が長く
だらだらと書かれておらず、淡いタッチのイラストと、簡潔なことばながら
奥深いというところが気に入って購入しました。
読んでみると、主人公と愛犬Elfieの物語ですが、これって、人間関係に
つながるなぁと思ったのです。
前回の『No!David!』をご紹介した際にもお話しましたが、こころを相手に
伝えるということは本当に大切なことです。
主人公は毎晩Elfieに【I'll Always Love You】と伝えます。
主人公がElfieに想いを伝えるシーンでの表情も、主人公だけでなく
Elfieの表情もよく描かれています。
直接的に
『生き物を大切にしましょう』
『犬も猫も人間もみんな同じ生き物なんだよ』と
メッセージを放つような、『意識的に』動物愛護を謳うようなものが私は
昔から好きではありません。
うまくは言えませんが『守ってあげてる』みたいな、基本上下関係のもとに
あるような気がしてたのです。
(まぁ、これも一種の偏見と言われてしまえばそうなのですが…)
ですので、動物ドキュメントとか、基本的には苦手なほうだと思います。
(感情移入が難しいです…)
ですが、この本では、Elfieは『飼われている』というわけではなく、
『家族』なのです。
数ヶ月前、いとこ宅にいたワンちゃんが亡くなりました。
彼女がいなくなって、静か過ぎるおうちには冷たい空気が流れて、
いとこは数日間夜も眠れず、食事もできないような状態でした。
私も数ヶ月に1度会うくらいでしたが、しっぽを振って擦り寄ってくる
姿なんかは本当に愛らしくて、フローリングを歩けばぺたぺたと足音が
するのですら可愛らしい彼女がいなくなったと思うと、なんだかぽっかり
こころに穴が開いたようでした。
そのとき、この本のこのページをふと思い出したんです。
『家族』だから、いなくなったら次、なんてことは無いんですよね。
寂しさを紛らせるために、新しい家族を迎えるのもひとつかもしれませんが、
『家族』として過ごした時間を、大切に、振り返ることも、ものすごく
大切なことなんだと、絵本を通して感じました。
絵本から気づくこと、学ぶことはたくさんあるんだと感じています。
いい絵本と共に、こころ豊かな子どもたちが育っていくように、
私もお手伝いができればなぁと、思っている次第です。
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